田の神さあがお引っ越し 薩摩川内市祁答院町
田の神さあが年に一度宿を引っ越す「田の神戻し」が4月10日、薩摩川内市祁答院町藺牟田地区で行われました。子孫繁栄などを願う伝統行事で、150年以上続いています。県内各地から多くの見物人が集まり、引っ越しの様子を温かく見守りました。
田の神さあを1年間預かった長野敏さん(75)は「孫が元気に育ち大学、高校、中学にそれぞれ進学した。作物の出来も良く、ヤマノイモは大豊作だった」と感謝していました。2カ月前に体調を崩した妻ミナ子さん(72)は「元気になり無事に送り出せてよかった。毎日拝んでいたので、田の神さあがいなくなると寂しい」と語り、別れを惜しんでいました。
引っ越しには、顔にヘグロ(すす)を塗って化粧をした若者8人が同行し、田の神さあを花かごに乗せて新居宅に送り届けました。道中ではレンゲ畑などに立ち寄って踊りを披露し、見物人の顔にすすを塗り付けて無病息災を願いました。
2019-04-16 | JA北さつまからのお知らせ
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